通院しているから安全とは限らない
爪水虫の治療の為に皮膚科に行くと、内服薬を使って治療を進めていくケースが多いです。それは外用剤に比べて圧倒的に治療効果が高く、治療した実績も高いからです。
内服薬で治療を行う場合、主治医や薬剤師は患者が現在服用している薬との相互作用を調べ、内服薬での治療を開始できるかどうかを血液検査で調べます。
また、治療を開始してからも内服薬による副作用が出ていないか血液検査をしながら進めていきます。
ここまでするからこそ安全度が高くなるのですが、それでも油断することはできません。
実際に他の薬と爪水虫の薬を服用していた人が入院したケースもあります。
キーワードはポリファーマシー
どんなケースがあるのか詳しく見てみましょう。
ポリファーマシーとは
ポリファーマシーとは「多くの薬」という意味です。
持病の治療や悪化を防ぐ為に、何種類かの薬を服用している状態のこともポリファーマシーと言います。
1つ1つの内服薬には服用する理由があるので、薬が悪いわけでも医師が悪いわけでもありません。もちろん患者が悪いということでもありません。
しかし、その薬同士の相互作用や副作用によっては重大な事故を起こすことがあります。
高齢者は特に要注意
何種類の薬を飲めばポリファーマシーになるのかという定義はありませんが、5,6種類以上の薬を飲んでいる高齢者は特に要注意と言われています。
病院で処方された薬だけではなく、市販薬にも相互作用や副作用はあるので油断してはいけません。
2017年1月17日放送のNHKニュースおはよう日本「けんコン!高齢者、薬多用で副作用も」では、爪水虫の内服薬について触れていました。
番組内では、高齢者の薬多用が原因と思われる「ふらつき」による転倒事故や認知機能の低下を問題にしていました。
転倒により太ももの付け根を骨折した高齢者の入院患者の例ですが、その方は6種類の薬を服用しており、その中の血圧の薬と爪水虫の薬がふらつきを引き起こした可能性が高いと判断されました。
当サイトで爪水虫の内服薬として紹介しているラミシール錠やイトリゾール(パルス療法で使用)でよく取り上げられる副作用は肝機能障害です。
しかし、めまいの副作用もあることを知っている人は少ないでしょう。
めまいは爪水虫の薬以外でも多く見られる副作用です。
もし他に服用している薬でもめまいの副作用があるとしたら・・・ちょっと怖いですね。
自己判断はしないこと
ポリファーマシー(薬多用)は副作用が心配だから、薬を減らしてしまおうと自己判断するのはよろしくありません。
主治医や薬剤師と相談しながら調整すべきです。
薬の中には相互作用によって症状の改善を期待するものもありますし、その薬を飲んでいるから今の生活が出来ていることもあるからです。
薬を減らすには、主治医の許可を得たうえで経過を見ながら進めるようにしましょう。
注意するのは高齢者だけではない
高齢になるほど体の不調が増えるのが一般的なので、今回は高齢者に絞られていますが、注意するのは高齢者だけではありません。
若い人でも内服薬には注意が必要です。
軽いめまいだったとしても、それが運転中であれば重大な事故を引き起こす可能性もあります。もし持病があり、数種類の内服薬を服用しているのであればなおさら注意が必要です。
また、病院に行くのが嫌で個人輸入代行を使って爪水虫の内服薬を手に入れる人もいますが、これほど危険なことはありません。
血液検査もできないですし、その薬自体も正規品かどうか疑わしい業者もあるからです。
爪水虫も甘く見てはいけない
高血圧やコレステロール、認知症の薬などと比べると、爪水虫の薬は真っ先にやめても良さそうに思えますが、爪水虫も甘く見てはいけません。
それほど多くはありませんが、本当に酷くなってしまうと歩行が困難になったり、手術が必要になるケースもあります。
NHKニュースおはよう日本「けんコン!」では、爪水虫がある程度改善されていたのでバッサリと服用をやめましたが、また元に戻る可能性もゼロではありません。
服用を続けるべき内服薬の中では優先度は低くなりますが、副作用が心配で内服を中断したいならやはり主治医に相談した方がいいでしょう。